障害者入所施設を人・社・会の道しるべに。

田村俊樹

▶障害者支援施設の祖型は敗戦直後に開設された近江学園である。著者は幼児期から中学卒業までを近江学園敷地内の家族舎に暮らし、施設内分校で施設収容児とともに学び遊び育った。措置制度時代であったがインクルーシブな環境だったといえる。措置から契約の制度改革は施設支援サービスの内実から、「発達と教育(共育)」という概念継承を断ち、重度・重複障害者とともに生きる姿を生活介護なる包装紙で包み隠してしまった。
▶近江学園という精神的母胎から多様な障害児者施設が誕生していった。本書は草創期の近江学園「群」が芽を噴いていった必然と存在価値の記憶と記録である。それは7、80年前の証言という過去形ではなく、混迷する入所支援施設状況から、障害福祉へのあるべき姿への回復と確立に向けた明日への道標でもある。――髙山和彦氏(社・同愛会理事長)

目次:

はじめに われわれに課せられている役割を考える
1 知的障害者入所施設「イキイキ、キラキラ」
2 知的障害者入所施設の進むべき道
3 知的障害者入所施設の改革とは
4 「知的障害者入所施設から地域へ」と言われることについて
5 知的障害者入所施設と教育
6 知的障害者入所施設で向き合う
7 大いなる知的障害者入所施設
付論 「遊戯」アートを考える―アール・ブリュット活動との違いについて

46判・並製、全268頁 本体2500円+税 
2025年11月刊行 ISBN978-4-86686-049-7 C3036