教育メディア空間の言説実践

―明治後期から昭和初期までの教育問題の構成-

岩田一正

明治後期から昭和初期における教育ジャーナルを中心に、
教育に関する問題の発生と拡張に対して
メディアが形成する教育に関する意味空間―― 「教育メディア空間」が
どのような機能を果たしていたかを分析する挑戦的研究。

 

序 章
主題の所在

〈第1部〉
国民教育の確立、実質化に向けて
―児童像と少年像の転換、教育の成果の問題化―

第1章
『少年世界』における「少年」の再編制
―投稿文を中心に―

第2章
教科書に見られる「児童」表象の転換
―明治期の国語読本を中心に―

第3章
展覧され評価される教育の成果
―全国小学校成績品展覧会を事例として―

第4章
『万朝報』「小学校教師の学力問題」に見る教師文化の構造
―教育の固有性の主張―

〈第2部〉
一等国に相応しい教育の構成
―教育と国家の繋がりの再構成―

第5章
殉職によって表象される教師の心性
―一九二〇年代初頭の教師文化の一断面―

第6章
「教育第一」という言説
―学制頒布五〇年記念祝典における表象の力学―

第7章
学園都市が形成する教育文化
―一九三〇年前後の成城学園を事例として―

第8章
一九三〇年前後の学校紛擾言説に見られる大学の共同体化への希求
―早稲田大学同盟休校を中心に―

終 章
見失われた水脈を求めて
―教育メディア空間の探究―

刊行に寄せて
佐藤学

 

 

A5判・上製・全332頁、本体3500円+税
2018年2月刊行
ISBN978-4-902163-97-1 C3037