《産まない女》に夜明けはこない

ロサリオ・カステリャノス研究

洲崎圭子 著

メキシコの作家、ロサリオ・カステリャノス。第三世界とされたメキシコで、裕福な階層出身の高学歴の知識人の女性という複数の関係性が重層的に錯綜する状況を、カステリャノス自身が体現するなかで、社会と関わりかつ社会に向けて提言しようとした際に直面した困難さと、それについていかに対処を試みたかということについて論じていく。
社会から忌避され周縁化された女性人物たちに託した作家の意図を明かす。

目 次

序 章
第三世界の知識人女性とは

第Ⅰ部

第1章
知識人として書くこと

第2章
向こう岸を語ること

第3章
女性の生き方にこだわる

第Ⅱ部

第4章
第三世界発のフェミニズム

第5章
マチスモ言説の語られ方

第6章
農園主一族の不名誉な独身女性

第7章
もう一人の「独身女性」

第8章
産めない女性と産まない女性

終 章
輝きを放つ文学の効用

A5判・上製・全304頁 本体3800円+税 
2021年7月刊行 ISBN978-4-86686-018-3 C3098