刑務所処遇の社会学

―認知行動療法・新自由主義的規律・統治性―

平井秀幸
9784902163834

「社会的なもの」の自己コントロールから、
自己コントロールの「社会化」へ―――――
認知行動療法に基づく薬物犯罪者処遇がもたらす
「解放性」と「困難性」のジレンマ。
フーコーの統治性論と社会学的フィールドワークを駆使しながら、
刑務所における薬物犯罪者処遇を批判的に考察する。

日本犯罪社会学会奨励賞日本社会病理学会学術奨励賞

目 次

序 章 認知行動療法・新自由主義的規律・統治性
第1章 新自由主義的規律としての認知行動療法
◆第1部 反操行としてのCCBTD
第2章 政策レベルのCCBTD―内面化戦略への反操行
補 章 フィールドと調査の概要
第3章 実践レベルのCCBTD―〈交渉〉モードへの反操行
◆第2部 CCBTDの合理性分析
第4章 犯罪と病気の二重化―「犯罪者/病人」役割の構造
第5章 「社会的なもの」の自己コントロール
◆第3部 CCBTDにおける自己統治分析
第6章 「犯罪者/病人」役割への“収斂”?
第7章 「解放性」ゆえの“収斂”、“収斂”ゆえの「困難性」
―CCBTDと過食型エンパワメント
終 章 「社会的なもの」の自己コントロールから、自己コントロールの「社会化」へ

A5判・上製・本体6200円+税
2015年11月刊行
ISBN9784902163834