〈被害と障害〉〈補償と福祉〉の間を問う
野澤淳史 著
自分で暮らしたい
仕事ばよこせ!
人間として生きる道ばつくれ ! !
胎児性水俣病患者の魂の叫びに向き合った
新しい環境社会学の誕生
本書は、「加害と被害」「認定と補償」という視座からは見過されてきた、胎児性水俣病患者が全身で要求してきたことに光を当てる。それは、補償金や福祉の制度や施設の拡充などではなく、生きがいと生の歓びを求めて「どう生きていくか」という当たり前で根本的な生き方の問題であり、それがまっとうに認められることだった。私たちも、水俣病患者や障害者と課題を共有して肩を並べて歩みながら、日常の優生思想を我が身から引き剝がしていこう、という呼びかけの書である。——立教大学名誉教授 栗原 彬
目 次
第1章
水俣病問題の概要
第2章
被害の周辺からの思考
第3章
胎児性患者たちの自立と支援の変遷
第4章
水俣病被害補償にみる福祉の系譜
第5章
補償か、それとも福祉か
第6章
先天性(胎児性)という問い
資料
水俣病年表
46判・上製・全304頁 本体2700円+税
2020年7月刊行
ISBN978-4-86686-012-1 C3036