いわさきちひろと戦後日本の母親像

―画業の全貌とイメージの形成―

宮下美砂子

いわさきちひろに託された〈母親像〉とは何だったのか。
ちひろの画業と現代社会に生きる母親たちのあり方を
ジェンダーの視点から捉え直し、
初源に立つちひろの思いを新たな可能性へと解き放つ。

目次

いわさきちひろの画業〈口絵〉

序章
研究の目的と方法戦前から1950年代

1章
画家としてのバックボーンの形成

2章
画業の拡大と「母性」イメージの萌芽

3章
「童画家」への道と童画におけるジェンダー構造の変容

Ⅱ 高度成長期

4章
絵本市場の拡大と「専業主婦」の隆盛

5章
「母性」を描く画家として

6章
社会活動での期待の高まりと支持層の拡大

  Ⅲ 1960年代末から現代

7章
母親像の揺らぎと画風の変化

8章
原点への回帰と反戦・平和活動

9章
現代におけるいわさきちひろ像と新たな解釈

終章
いわさきちひろの画業とイメージ

A5判・上製・全344頁 本体4200円+税 
ISBN978-4-86686-019-0 C3036