「甘え」と「自律」の教育学

―ケア・道徳・関係性―

下司 晶=編

下司 晶 須川公央 関根宏朗 櫻井 歓 富田純喜 小山裕樹 尾崎博美=著

9784902163797

「甘えていないで自分でやりなさい!」
家庭で、学校で、教育の前提とされている
〈甘えを脱却して自律に至る〉ことの自明性を問い直す。

二項対立を超え、ポストモダンのその先をまなざす
気鋭の教育学者たちによる渾身の論文集!

目 次

序章 「甘え」と「自律」の教育学のために
―道徳の個人性からケアの関係性へ―
下司晶

第Ⅰ部 「甘え」の教育学

第1章 「甘え」の教育学のために
―「甘え」概念の内包と外延―
須川公央

第2章 自律と他律のあいだで
―「甘え」理論における能動性の問題―
関根宏朗

第3章 「甘え」理論と西田哲学
―「甘え」の両義性と母子関係へのまなざし―
櫻井歓

第4章 「甘え」理論と日本の近代
―アイロニーとしてのポストモダニズム―
下司晶

第Ⅱ部 「自律」の教育学

第1章 「自律」の教育学のために
―教育における「自律」論の現在―
関根宏朗・櫻井歓

第2章 保育における子どもの「自立」とは?
― 発達の関係論的アプローチによる再考―
富田純喜

第3章 「自律」観の転換に向けて
―カントの反省的判断力論をめぐる諸解釈から―
小山裕樹

第4章 「ケア」は「自律」を超えるか?
―教育目的論からの検討―
尾崎博美

終章 交錯する地平
―「甘え」の人間学と「自律」の教育学―
関根宏朗

46判・並製・本体2000円+税
2015年5月刊行
ISBN9784902163797