骨相学

―能力人間学のアルケオロジー―

平野 亮

9784902163773

骨相学とは生理学的な一定の生得的「能力」を論じることによって
「人間」を表象・描写する“能力人間学”である。

近代教育言説の知られざる起源。

 

目 次

序 章
1 骨相学の教育思想史研究の重要性
2 先行研究の検討
3 方法と史料
4 課題の設定と章構成

第1章 骨相学とは何か
1 F・J・ガルの学説―観相学と脳神経科学
2 「フレノロジー」及び「骨相学」という名称
3 骨相学概略史―反響と残響

第2章 骨相学の三つの前史
1 観相学の歴史―〝伝統的人間観〞の理論とその読解術
2 能力心理学の歴史―魂とその諸能力の理論
3 脳機能局在論の歴史―「能力」の器官としての脳

第3章 能力心理学としての骨相学
1 シュプルツハイムによる改造―「骨相学」誕生
2 「心(Mind)」と三五+α 個の能力
3 ジョン・ロックの能力心理学
4 骨相学の「ファカルティ」理論

第4章 骨相学の教育
1 骨相学の教育理論―能力教育の言説
2 骨相学的能力訓練の一場面―学校実践の事例
3 骨相学の「能力」教育

終 章 〈能力人間学〉と教育
1 消えた?「脳の生理学」=「心の哲学」のファカルティ
2 〝能力人間〞という人間像―「能力」で擬制される人間

 

A5判・上製・本体3200円+税
2015年3月刊行
ISBN9784902163772