―歴史認識と政治思想-
都築 勉
丸山眞男の著作は知性の交響楽――
丸山眞男の思想を長年研究してきた著者の多年にわたる論稿の集大成。
経済活動や文化活動が生活の中心を占める私たちにとって、政治とは何か。
人間の生存と社会の存続の仕方に関わる政治の可能性を丸山眞男の著作から解き明かす。
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第Ⅰ部
1 丸山眞男における政治と市民――戦後思想の転換点
2 丸山眞男論の現在
3 政治社会の内部と外部――丸山眞男の位置をめぐって
4 丸山眞男との出会い方――石田雄『丸山眞男との対話』、飯田泰三『戦後精神の光芒』、苅部直『丸山眞男』書評
5 隠れたる市民社会――引き延ばされた社会契約の結び直し
第Ⅱ部
6 日本知識人の特質――福沢諭吉・吉野作造・丸山眞男
7 国民的ということ――知識人はつらいか
8 驚くべき問題限定能力――思想と学問の独特な結合の仕方
9 人間論の上に築かれた政治学――自己と社会の関係の問い直しを迫る
10 平和問題談話会の遺産――「平和への問い」再考
11 「超国家主義」から「一国民主主義」まで
12 再評価盛ん=丸山眞男を読み直す――「発展段階説」から政治固有の論理へ
13 誤読の可能性
第Ⅲ部
14 思想の「演奏」と主体性の曲想――丸山眞男研究序説
15 一研究者の精神の遍歴
四六判・上製・全368頁、本体3400円+税
2017年11月刊行
ISBN978-4-902163-95-7 C3031