共同の力

―1970~80年代の金武湾闘争とその生存思想―

上原こずえ

 

継ぎ続ける沖縄の市民革命
――金武湾闘争に学べ――

 

「金武湾闘争」とは、1972年の施政権返還時の
沖縄において推進されていた石油備蓄基地
(Central Terminal Station : CTS)の建設と
それに伴う沖縄本島東海岸金武湾の埋立に対して
組織された、反開発の抵抗運動である。

本書は、「金武湾を守る会」が組織した金武湾闘争を中心に、
施政権返還に伴う経済開発への抵抗と、
そのなかで表出した民衆の生存思想を浮き彫りにする。


近代を問う金武湾闘争

第1章
金武湾沿岸地域の近代と失われたもの

第2章
運動前史
―施政権返還時の金武湾開発まで―

第3章
「一人びとりが代表」
―金武湾を守る会の抗議の始まり―

第4章
「平和産業」資本による沖縄政治の揺らぎ

第5章
開発に伴う暴力に対峙した金武湾闘争

第6章
民衆の「生存」思想が問う国家と権利

第7章
琉球弧とミクロネシアの島々との連帯

第8章
金武湾闘争が模索した「共同の力」

結び
運動を再定義する

註、参考文献

資料1
金武湾闘争・一九六七年~一九八三年

資料2
金武湾を守る会に寄せられた機関誌

索引

 

A5判・上製・全346頁、本体3500円+税
2019年5月刊行
ISBN978-4-86686-005-3 C3036