都市に誕生した保育の系譜

―アソシエーショニズムと郊外のユートピア―

福元真由美

子どもの発達に未来のユートピアを託し、
保育実践において相互扶助と共生協働の未来像を描いた
現代につながる革新的保育の源流とは――

先人たちの実践によって開拓された保育思想、
その歴史を活写する。

 

序章
研究の主題と方法

〈第Ⅰ部〉
保育とアソシエーションの形成
―協同組合型保育所―

第1章
賀川豊彦による光の園保育組合の設立と「協同組合社会」の理想

第2章
志賀志那人の北市民館保育組合における母親の協同

第3章
東京帝国大学セツルメント託児部における
地区別グループの実践
―鈴木とくによる保育と母親の協同―

第4章
子供の村保育園の設立とその意味
―平田のぶの思想と実践―

〈第Ⅱ部〉
郊外住宅地に成立した保育の実践
―郊外型幼稚園―

第5章
橋詰良一の家なき幼稚園における教育
―郊外住宅地における保育空間の構成―

第6章
一九三〇年前後の成城幼稚園における保育の位相
―小林宗作のリズムによる教育を中心に―

第7章
高崎能樹による阿佐ヶ谷幼稚園の設立とその意味
―郊外における母親教育と子どもの保育―

第8章
賀川豊彦による松沢幼稚園の設立と自然中心の保育

〈第Ⅲ部〉
保育の成立に見る都市と郊外

第9章
都市化と保育の新しい動向

終 章
都市に誕生した保育のゆくえ

刊行に寄せて―解題
佐藤学

索引

 

A5判・上製・全344頁、本体3500円+税
2019年2月刊行
ISBN978-4-86686-004-6 C3037